「ちょっとしたことでイライラしてしまう」「自分でもコントロールできなくて落ち込む」
生理前になると、感情の起伏が激しくなってしまう――それは、多くの女性が経験するPMS(月経前症候群)のひとつ。
「なんでこんなに不機嫌なんだろう」と自己嫌悪に陥ってしまうこともありますよね。でも、それはあなたが悪いのではなく、ホルモンの変化による自然な現象。
そんな時こそ、**心と体をそっと整えてくれる“食べ物の力”**に目を向けてみませんか?
この記事では、生理前のイライラがひどいと感じるときに、意識して食べたい栄養素とおすすめの食材をやさしくご紹介します。
1. なぜ生理前にイライラするの?
まずは、生理前に感情が乱れやすくなる理由を知っておきましょう。
◆ ホルモンバランスの急激な変化
排卵後から月経前にかけて、**女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」**の分泌量が大きく変動します。このホルモンの変化が、脳内の神経伝達物質に影響を与え、感情のコントロールが難しくなる原因に。
◆ セロトニン不足による精神的な不安定さ
幸福ホルモンと呼ばれる**「セロトニン」**の分泌も、生理前には減少しがち。セロトニンは、心の安定に深く関わる物質なので、不足するとイライラや不安、落ち込みが強くなりやすいのです。
2. イライラを和らげる食べ物の選び方
感情の揺らぎにアプローチするには、セロトニンの材料になる栄養素や、神経の働きを整えるミネラルをしっかり摂ることがカギ。ここでは、特におすすめの栄養素と食材をご紹介します。
3. 生理前のイライラにおすすめの栄養素と食べ物
◆ ① トリプトファン(セロトニンのもと)
セロトニンの材料となる**「トリプトファン」**は、体内で作ることができない必須アミノ酸。日々の食事から意識的に摂りたい栄養素です。
多く含まれる食材:
- バナナ
- 豆腐・納豆などの大豆製品
- 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
- 卵、まぐろ、鶏むね肉
おすすめの食べ方:
朝食にバナナ+ヨーグルト+はちみつで、トリプトファンと糖質を一緒に摂ると、セロトニンの生成がスムーズに。
◆ ② ビタミンB6(ホルモンと神経のサポート)
トリプトファンからセロトニンを作るために欠かせないのが、ビタミンB6。ホルモンバランスを整え、気分の安定に役立ちます。
多く含まれる食材:
- 鮭・まぐろ・鶏ささみ
- バナナ、アボカド
- 玄米、かぼちゃ
◆ ③ マグネシウム(神経の興奮を鎮める)
**“自然の精神安定剤”**とも呼ばれるマグネシウムは、神経の興奮を抑え、筋肉の緊張や頭痛、イライラをやわらげてくれます。
多く含まれる食材:
- ナッツ類(アーモンド、くるみ、カシューナッツ)
- ひじき、わかめなどの海藻
- 大豆製品、玄米
おすすめの食べ方:
小腹が空いたときに素焼きナッツや豆乳を取り入れて、栄養も満足感もアップ。
◆ ④ カルシウム(神経の伝達と安定)
カルシウムは、神経の伝達や筋肉の収縮を調整する大切なミネラル。イライラや緊張感のあるときには、マグネシウムと一緒に摂るのが理想的です。
多く含まれる食材:
- 牛乳、ヨーグルト、チーズ
- 小松菜、水菜、しらす
◆ ⑤ 食物繊維&発酵食品(腸内環境を整える)
腸は“第二の脳”とも呼ばれ、幸せホルモン「セロトニン」の90%が腸でつくられているとも言われています。腸内環境を整えることは、心の安定にもつながります。
おすすめの食材:
- 発酵食品(納豆、キムチ、甘酒、味噌)
- 食物繊維(ごぼう、ブロッコリー、オートミール)
4. 避けたい食べ物と注意点
イライラがひどい時には、つい甘いものやジャンクフードに手が伸びてしまうことも…。でも、それが症状を悪化させてしまう原因になることもあるのです。
◆ 避けたい食べ物
- 白砂糖たっぷりのスイーツ・清涼飲料水:血糖値の急激な上下で気分が乱れやすくなります
- カフェイン(コーヒー・紅茶):自律神経を刺激し、不安やイライラを強める可能性あり
- 加工食品・インスタント食品:添加物が多く、体への負担が増します
5. 生理前のやさしい食事習慣のコツ
イライラを少しでもやわらげるために、以下のような日常の工夫も取り入れてみましょう。
◎ 規則正しい食事リズムを心がける
→ 空腹が続くと血糖値が下がり、気分が不安定に。
◎ 温かい食べ物・飲み物を意識して選ぶ
→ 内臓を冷やさないようにし、体をあたためることで気分も落ち着きます。
◎ 小さな満足感を大切に
→ 自分の好きな香りのハーブティーや、彩りのきれいな野菜たっぷりのスープなど、“五感が喜ぶ食べ方”で心をほぐしてあげましょう。
6. まとめ|“食べること”が、わたしをやさしく整えてくれる
生理前のイライラは、つらいもの。だけど、それは「自分をケアしてあげてね」という体からの小さなメッセージなのかもしれません。
なにを食べるかは、自分をどう扱うかにもつながります。
あたたかく、栄養のある食べ物を選ぶことは、心にも“やさしさ”を与える習慣。
今日の一食が、明日のあなたの穏やかな心を育ててくれる。
イライラに悩んだときこそ、“わたしにやさしい”食べ方を始めてみてくださいね。